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床に置かれた紙袋が煙突に当たった状態で、暖炉に火を入れていました。

この煙突は開放型暖炉に施行されていたスイスの煙突です。内径はΦ200外径はΦ600程もある超極太煙突。こんなにしっかり断熱された煙突は日本ではあまり見た事がありません。今更ですが何故煙突には断熱が必要なのでしょうか?それは排煙温度を下げない為です。排煙の際に煙が冷やされると気化した煙は液化し煙突内部で結露を起こします。煙の中には油分成分が含まれているため燃えやすいです。結露した排煙は煙突内部で固形化しますが再び温められると再び液化し煙突下部へと流れ出します。ストーブから伸びた炎が引火すると煙突火災を起こします。例えストーブ近くで火がついたとしても煙突効果で炎は想像以上に長く伸びます。(トップから炎が噴き出す事も)そうならない為に煙突は断熱が必要になります。スイスの煙突協会では炎から3m離れたところから断熱煙突に切り替えるよう指示しています。時々低温炭化を防ぐ為に断熱煙突が必要と思われている場合がありますがそうではありません。確かに低温炭化を防ぐ働きもありますが断熱煙突でも壁出しにした場合壁の中で低温炭化になる100℃を超えてしまう事があります。吹き抜けにストーブを設置する場合天井付近で断熱煙突に切り替えて施行される事がありますが、それでは結露を防ぐことは難しいです。スイスのこの煙突のように抱き抱えても手が回らない程しっかり断熱されていれば、結露を起こさず煙を排出させる事ができるでしょう。