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今回は昨今高気密住宅への薪ストーブ設置でトラブルが増えてきており何故トラブルが起きるのか?注意すべき点は何か?についてお話しさせていただきます。
例えば「外気導入にすれば高気密住宅でも安心」というのはかなり単純化された説明で、本質的な解決にはなりません。
特にドイツ建築技術研究所(DIBt) が定める認証制度は、その点を明確にしています。

ストーブは、
1)機械換気による8Paの負圧でも排ガスが室内に漏洩しない事
2)ドアが自動で閉まりロックされること

3)外気導入が可能であること
といった厳しい条件を満たす必要があります。
しかし、認証ストーブ=絶対安心ではありません。実際にヨーロッパでもトラブルは発生しており、その多くは以下のような「システム全体」の問題に起因します。
ではなぜ外気導入だけではダメなのか?

・外気供給経路の設計不備
1)ダクト長が長すぎる

2)外気供給経路の曲がりが多い

3)外気供給経路の気密処理が不十分

4)断熱不足で結露が起きる

5)ストーブの気密性が不十分
6)高気密住宅用の気密煙突部材が存在しない
7)煙突有効高さ不足

これらがあると十分な燃焼空気が供給されず、逆流や不完全燃焼のリスクが高まります
高気密住宅では「煙突=常にドラフトが取れる」という従来の常識が通用しません。

・換気システムとのバランス
第三種換気や第一種換気では、運転条件次第で8Paを超える負圧になることもあります。
その状態で燃焼が不安定になれば、
1)不完全燃焼又は火が消える

2)煙の漏洩

3)一酸化炭素中毒による頭痛などの体調不良

といった事例が実際に私の元にも報告されています

・間違った対処法
1)24時間換気を止める

2)窓を開けて燃え出したら閉める

3)ストーブ近くに給気口を設ける

これらは根本的な解決でなく応急処置に他ならないです。

換気停止は室内空気質の悪化を招き、窓開放後閉める方法は火の勢いが弱くなると煙突のドラフト力が小さくなる為一酸化炭素の漏洩リスクが増す。

近年、日本でも高気密住宅が急増しているため、従来の知識や施工方法のままではトラブルが増える可能性があります。『外気導入だから大丈夫』『窓を開ければオッケー』『ストーブの近くの床に吸気口を設ける』という単純な説明が広がらないことを、切に願っています


炉台の黒い部分が外気供給口。